がん患者の現状
がんは身近な病気
今、日本人の2人に1人が生涯、がんに罹患する時代です。しかもそのうち、15歳~65歳の働く年齢層では3人に1人が罹患しています。もはやがんは、身近な病気となりました。職場や近隣には、がんと向き合う人がいるでしょう。
がんは、不治の病とは限りません。国立がん研究センターの資料によると、全部位のがんの5年生存率は62.1%、乳がん、前立腺ではそれぞれ91.1%、97.5%と9割以上に達しています。治療後の生活期間は今後ますます伸びていくと予測されます。
(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」、全国がん罹患モニタリング集計2006-2008年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター,2016) 独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」 平成22年度報告書)
がんにかかったら、長期の入院治療を強いられ、仕事は辞めなければならないというのはいまや昔の話です。
現在は、がん治療の進歩によって、平均入院期間は2週間余と短くなりましたが、手術を終え退院したのちも、進行度によっては通院しながら抗がん剤治療や放射線治療を行うことがあり、「長く付き合う慢性病」に変化しつつあるのです。そして、こういった治療は、働きながら通院治療が可能な場合が少なくありません。
したがって、「完全に治ってから復職」は非現実的になっています。実際、32.5万人の方が仕事を持ちながら通院しています。
がん患者の就労の意向
がん患者にとって、仕事は「家計」や「治療費」のためだけではなく、「生きがい」でもあり、がんになっても多くの人は働き続けたいと思っています。